北アルプストレイルプログラムについて
北アルプスの登山道を未来につなごう
北アルプスの登山道は、山小屋を中心とした関係者の労力と資金、
それらを支援する行政の取組によって維持されてきました。
近年、ヘリコプター輸送費の上昇や登山道被害の増加、コロナ禍など、環境の変化により、
これまでの枠組で登山道を維持し続けることが難しくなっています。
そこで、利用者の皆様に登山道維持の現状を正しくお伝えしたうえで、
皆様からの協力や参加により登山道を維持していく新たな制度について検討を行っています。
検討の背景
「登山道は誰が、どうやって整備しているんだろう。」と考えたことはありますか?
これまで、行政機関、民間の山小屋の相互協力により、登山道の維持を行ってきました。しかし、社会環境や自然環境の変化により、これまでと同様の維持が一層難しくなってきています。
そこで、利用者の皆様に登山道維持の現状を正しくお伝えしたうえで、皆様にご参加いただくことにより登山道を維持していく新たな制度を検討しています。
今後も、みなさまに安全・安心して登山を楽しんでいただくために、取組へのご理解とご協力をお願い申し上げます。
利用者の皆様へのお願い
「登山道維持への協力」には、実に様々な参加方法があります。
ぜひ皆様のご参加をお願いいたします。
登山道維持の現状を知る
まずは登山道維持に関する現状を検討会資料などから知り、問題点や関係者の取組を理解しましょう。
登山道に優しい登り方を心がける
登山道には様々な負荷があり次第に損傷していきますが、利用者の心がけで負荷を軽減することもできます。
(荒天時の回避、登山道を外れない、ストックキャップを装着するなど)
ルールやマナーの遵守、安全登山を心がける
登山道維持を担っている山小屋への負担を少なくすることで、山岳利用の持続性が高まると考えられます。
詳しいマナーはこちら(北アルプス山小屋友交会)
※外部サイトに移動します
実証実験についてご意見をお寄せください
今回の取組はあくまで試行的なものであり、いろいろな改善点を把握し制度の本格導入に向けて準備をしています。アンケート調査を実施していますので、ご協力をお願いいたします。
アンケートはこちらから
登山道維持のための協力金の支払い
各エリアにおいて利用者が費用面から貢献できる協力金収受の取組を進めております。入山される現地又はクレジットカード決済、銀行振込にて協力をお願いいたします。
登山道整備イベント等への参加
各エリアにおいて利用者が労力面から貢献できる登山道整備の取組を今後進めていく予定です。本HP等での案内をご確認ください。
登山道の状況報告・共有
各エリアにおいて登山道は維持作業が実施されていますが、自然災害の発生等の突発的な被害も時には発生します。発生時は周辺の公園関係者へ状況の共有をお願いいたします。
令和6年度の取組実施概要
今年度は、既に導入されている上高地に加えて、岐阜県エリア、富山県エリアにおいても実証実験を実施します。
北アルプス全域への展開や今後の取組体制は実証実験結果等をもって検討していきます
実施期間
2024年(令和6年)4月1日(月)〜(長野県)
※乗鞍岳(長野県側)は9月1日(日)~開始
2024年(令和6年)7月13日(土)〜(岐阜県)
2024年(令和6年)8月以降〜(富山県)対象地域、対象者
槍穂高連峰、常念山脈、乗鞍エリアの長野県側の登山道
岐阜県側及び富山県側の国立公園内の登山道上記エリアを利用する登山者登山道維持にご協力頂ける全ての方
実施体制
各県の登山道等維持連絡協議会にて実施。
よくあるご質問
- Q協力金の使い道は何か?
主に登山道の維持補修事業に活用させて頂きます。各県における使途に関する協議会資料は今後HPにて公開する予定です。
- Qなぜ北アルプスで行うのか?
北アルプスにおける登山道の維持は、行政機関だけでなく、民間の山小屋が収益の一部を持ち出す形で、通常の維持作業(雪切り、倒木処理等)、大掛かりな補修作業(木道の更新、石積み等)を実施してきました。
しかし、ヘリコプター輸送費の上昇や大雨等による登山道被害の増加、加えて、新型コロナウィルス感染症流行(密を防ぐための宿泊定員の縮小など)など、様々な社会環境や自然環境の変化の影響により、これまでの体制による登山道の維持が困難になっています。
一方で、公共予算拡大の困難さや安全責任に関する考え方の問題などがあり、行政機関による一元的な管理も難しい状況です。
持続可能な登山道維持の実現を目指した第1歩として、資金調達の方法について検討しており、協力金の取組を試行しています。 - Qなぜ各県(エリア)毎に取り組んでいるのか
北アルプス全域における登山道の維持は、山岳利用の歴史や地域の特性、関係者の関わり方によって管理者の有無や維持の方法が複雑に異なっています。
利用者目線に立てば統一することが望ましいと思いますが、すぐに統一することはできないため、取り組むことのできる地域から試行的に取り組んでいます。 - Q誰が使途を決めるのか?
いただいた協力金の具体的な使途は、環境省、林野庁、地方自治体、山小屋、環境保全団体など登山道の維持管理に関わる関係者で構成される地域協議会で協議の上、決定します。
- Qお金を払ったのだから、より安全で便利な登山道にしてほしい。
本取組はあくまで「持続可能な登山道維持体制の検討」が目的であり、現在の長距離に渡る登山道の維持を目指しております。現状よりも利便性や安全性を向上させることを目的とした取組ではないことはご了承ください。
- Qお金を払うのはいつでもよいか?
いつでも構いません。オンラインでのクレジットカード決済、山小屋で収受箱への現金投入、銀行振込、いずれかの方法でお支払いいただけます。
- Qお金を払う以外に登山道維持に協力する方法はないか?
悪天候時の登山は避けたり、ストックキャップの装着を心掛けたり、登山道から外れないなどの心がけも大切なご協力になります。他地域で実施されているようなボランティアの登山道維持への参加は今後各エリアにて実施の検討を進めていく予定です。また、登山道が自然災害の影響等で通行が難しい場合等での関係者への情報共有や本取組を通して現状を理解頂き、外部へ発信頂くことも協力可能な内容かと思います。
- Q協力金額は500円以下、以上でもよいか?
任意の協力金ですので、金額についてはご協力いただける方におまかせしています。
- Q期間中、毎回払わなければいけないのか?
任意の協力金ですので、協力の頻度はご協力いただける方におまかせしています。
- Q山小屋などでのトイレチップの支払いと二重で支払うことになるのでは?
本取組で収受した協力金は登山道の維持のために使われるものであり、トイレチップでいただいたお金の使い道が重複することはありません。
- Q協力金は誰が管理するのか?
各県における地域協議会の予算として管理を行います。
- Q地域協議会【北アルプス(飛騨側、富山県側)登山道等維持連絡協議会】とは何か?
中部山岳国立公園の山岳部を訪れる登山利用者が登山を行えるように登山道等の維持補修に協力するとともに、周辺環境の保全に努めることを目的として活動している任意団体です。環境省、林野庁、関係する地方自治体、山小屋事業者、環境保全団体、民間組織など登山道の維持管理に関わる関係者で構成されています。
- Q団体の場合も全員が支払う必要があるのか?
任意の協力金ですので、ご協力いただける方におまかせしています。
- Q外国人も支払う必要があるのか?
任意の協力金ですので、ご協力いただける方におまかせしています。
なお、HP等を含め多言語化対応を実施できている内容に限りがある為、今後多言語化への対応について検討を進める予定です。